1Q84 BOOK 2 |村上 春樹

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1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
村上 春樹
新潮社 刊
発売日 2009-05-29




やっと「空気さなぎ」の粗筋が明かされる2巻 2010-04-28
 僕は、年を取ることに対して感傷的でやたら主人公が泣く初期春樹作品よりも、オウム事件と神戸大震災以降、世界の闇や暴力に本格的に対峙することを始めた中期以降の春樹作品の方を評価する読者です。そんな僕としては、本書の背景として導入されている宗教や闇社会、天皇制の隠喩(=「さきがけ」は丸山眞男的な中心のない体制である)、心の通わない親子、私刑(/死刑)などの重いモチーフがどう料理されていくのかということが、このお話を読む上での興味の中心です。



 「原理主義やある種の神話性に対抗する物語」を作ることが作家の役割であり、「大事なのは売れる数じゃない。届き方だと思う」と作家自身は読売新聞でのインタビューで2009年に語ったそうですが、この「対抗」の部分に至る前段として、背景となる神話性や暴力を描いたのが一・二巻だと言えるでしょう。前段にかけるには500頁で二冊はちょっと長いんじゃないかとは正直思いますが、じっくり書いている作者に付き合う根気が読者にも求められちゃってますね。なお、本書の後半では、やっと「空気さなぎ」のあらすじが明かされますが、美少女作家が書いたからといってベストセラーになる内容じゃないよね、これ(笑)。でも、同じくらい取りとめのない「1Q84」がブームになってる僕らの生活の現実とパラレルだと言えなくもないんだよな。


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